佐太神社

出雲国風土記にも登場する神社で、
旧暦10月の神在月
(10月下旬~12月中旬)には、
全国各地から集まった神々が訪れる
格式の高い古社です。

一般に旧暦10月のことを
「神無月」(かんなづき)と
呼びますが、出雲地方では、
「神在月(かみありづき)」と
呼ばれています。

旧暦10月は、お祭りが
少ない月であり、
「神無月」という呼び方が
全国に広まったそうです。

しかし、旧暦10月の出雲国では、
新穀を献ずる新嘗の祭が
行われていたことから、
「旧暦10月になると神様が
出雲の地にお集まりになる」
という伝承が生まれ、
出雲地方では「神在月」と
呼ばれるようになりました。

神在祭は本来、
旧暦10月11日から25日までの
15日間行われるお祭りで、
11日から17日までが「上忌」、
18日から25日までが「下忌」と
されています。

出雲大社には「準備期間」である
「上忌」が、
佐太神社には重儀である
「下忌」が残りました。

本殿は三殿並立という珍しい大社造りで、
国の重要文化財に指定されています。

正殿(中央)
祭神
佐太大神(さだのおおかみ)
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
伊弉冉尊(いざなみのみこと)
事解男命(ことさかおのみこと)
速玉之男命(はやたまのおのみこと)


北殿(右側)
祭神
天照大神(あまてらすおおかみ)
瓊々杵尊(ににぎのみこと)


南殿(左側)
祭神
素盞嗚尊(すさのおのみこと)
秘説四座の神々

正殿と北殿は「男造」、
南殿は「女造」ですが、
佐太神社の南殿は、
入り口が向かって左側にある、
男造を左右反対にした
珍しい構造となっています。





黄金しじみくじ


松江の特産品といえば
「宍道湖のしじみ」。

日本一の産地である宍道湖のしじみは、
松江を代表する食べ物として
市民や観光客に愛されており、
市内の飲食店では、
しじみ汁をはじめとした
様々なしじみ料理を
味わうことができます。

佐太神社では、その
「宍道湖のしじみ」をモチーフにした
おみくじ「黄金しじみくじ」が
販売されています。

しじみの形をした黄金色の容器に、
おみくじが入っています。
釣り竿の針金をおみくじの袋のひもに
引っ掛けて吊り上げるという
「くじの引き方」が
楽しいおみくじです。

佐太神社参拝の記念におすすめです。


田中神社


佐太神社から東に約100mの場所には、
2つのお社が背を向けて建つ
田中神社があります。
佐太神社の御本殿に
向かっている西社には、
縁結び・安産の信仰がある、
木花開耶姫命
(このはなさくやひめのみこと)を、
背を向けて建つ東社には、
縁切り・長寿の信仰がある、
磐長姫命(いわながひめのみこと)が
祀られています。

佐太神社北殿の御祭神
瓊々杵尊(ににぎのみこと)が
姉の磐長姫命と妹の木花開耶姫命を
娶った際に、姉の容姿が醜かったので
親元へお返しになったということから、
東社は全国でも珍しい
縁切りの御利益がある神社と
されています。

出雲ぜんざい

もちもちのお餅や白玉団子を
たっぷりの小豆と共に味わう
和のスイーツ「ぜんざい」。
心も体も温まることから、冬になると
食べたくなる方も
多いのではないでしょうか。

佐太神社は、そのぜんざいの発祥の地と
いわれています。

11月20日~25日に、
佐太神社で執り行われる神事
「神在祭」の最終日、神様をお送りする
神等去出(からさで)神事で、
神前に供えていたお餅と小豆を
使用して作る小豆雑煮
「神在餅」(じんざいもち)が
出雲弁で訛り、「ずんざい」、
さらには「ぜんざい」となって、
その後全国に伝わったとされています。

佐太神社参道にある
小さな小屋のお店
「佐陀乃だんだん家」では、
それぞれの味が楽しめる3種類の
「ぜんざい」を味わうことができます。

①「小豆ぜんざい」


小豆がたっぷり入った、
シンプルな甘いぜんざいです。

中には、地元のもち米を使用した
白色・ピンク色・緑色の
3色のお餅が入っています。
上品な甘さの汁と、
もちもちのお餅が美味しいです。

「すましぜんざい」


「佐陀乃だんだん家」の
オリジナルぜんざいです。

ぜんざいといえば、
たくさんの小豆が入った
甘い汁が特徴ですが、
このぜんざいは、
地元の恵曇(えとも)湾で獲れた
小鯛の出汁を使用した、
すまし汁で作られています。

地元のもち米を使用した
甘い小豆がたっぷり入った餡餅の上に、
地元、御津(みつ)湾産の岩海苔が
トッピングされています。

地元の女性たちが鹿島地区を
盛り上げようと考案し、
2005年に誕生しました。

魚介の出汁のしょっぱさと
餡餅の甘さの相性がよく、
とても美味しいです。

「お供え神在餅(ぜんざい)」


佐太神社の神在祭で、
実際に神様にお供えするぜんざいを
再現した一品です。

約500年の長い歴史を持つ
佐太神社の神在祭。
日本に砂糖が伝わる前の時代の
「甘くない」ぜんざいです。

砂糖が付いてくるので、
甘党の方も安心して
お召し上がることができますが、
神様と同じように砂糖を入れずに
お餅と小豆の素材本来の味を
楽しむことをおすすめします。

ちなみに、島根県東部から
鳥取県中部にかけての地域では、
お正月に、このぜんざいと
同じ材料・作り方の雑煮「小豆雑煮」を
食べる風習があります。

小豆雑煮も甘くなく、
お好みで砂糖をかけて食べます。

また、その他にも、
出雲名物「出雲そば」や
地元の卵を使用した卵かけご飯を
味わうことができます。

佐陀乃だんだん家 店舗情報

場所
松江市鹿島町名分 1348-1

営業時間
10:00~16:00

定休日
不定休

公式Facebook

佐陀神能

また、佐太神社は、
国の重要無形民俗文化財に指定され、
ユネスコ無形文化遺産に登録された、
神事舞の佐陀神能で有名です。

佐太神社の祭礼の中でも重儀とされる
「御座替祭」(ござがえまつり)に
合わせて執り行われる「七座神事」
「式三番」「神能」の三つの神事舞を
総称したもので、長い伝統があります。
「出雲流神楽の源流」と呼ばれ、
全国各地に伝わる里神楽に
大きな影響を与えたと言われています。

佐太神社 公式サイト

佐太神社へのアクセス

松江駅からバスで約30分 480円
6番のりばから恵曇(えとも)行きに乗車
佐太神社前 下車 徒歩約5分

松江イングリッシュガーデンから
車で約10分 約5㎞

 

佐太神社から出発